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宮沢の心は決まった。
『この男に賭ける。』
あの時感じたインスピレーションに賭ける…!
「…フッ…、全てお見通しか…。
既に君の対戦相手を何人かリストアップしてある…。希望があれば言ってくれ。」
そう言うと、何人かの写真を渡した。
銀髪は、渡された写真に軽く目をやった。
「さすが。準備がいいですね…でも、この中にはいません。」
宮沢も、予想はしていた。
「やはり…ガンタレイ・キラーか…。」
確かに、熱の冷めないうちにこの試合が実現すれば、ファンは喜ぶだろう。
プロレス系の記者達も賛成してくれるだろうが、それ以外の格闘技専門の記者や一般の記者達には、今回の事を簡単に容認すれば、ガチでやってきたMAMの信用が失われてしまうかもしれない。
それだけに、間に1~2試合挟んで実力を証明させようという考えがあったのだ。
「…俺が、このリングで闘いたいのは、『最強』か『最高』。その2種類の相手だけですから。」
(そうだ。何を迷う必要がある。俺はこの男に賭けたんだ!
この男なら、全ての事をリングの上で証明してくれる!!)
宮沢は覚悟を決めた。
「そういえば…1番大切な事を聞き忘れていた。
お前…名前は?」
「あ、まだ言ってませんでしたっけ…?
…『冴木龍斗(サエキ リュウト)』。
今後ともヨロシク、宮沢統括本部長。」
「リュウトか…。」
(名前にまで華がありやがる…)
こうして、MAMのみならず、格闘技界全体を舞台にして、大きな渦を巻き起こす事になる二人が手を組んだのであった。
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