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日本 ~宮沢道場~
そして、ここにもリュウトに対して敵意を剥き出しにしている男がいた。
「よう、中田。もう道場に出て来ていいのか?」
試合後初めて道場にやってきた中田に、西島が話しかけた。
「…西島さん。」
中田は若干煩わしそうな顔をする。
「災難だったな。お前にとって大事な試合の後にあんな事になって。」
西島は気にせず話し続ける。
「西島さん…あの銀髪とスパーしたって本当ですか?」
「ん?ああ。見事にやられちまったよ。あいつは強えーわ。」
「じゃあ…宮沢さんが奴と手を組んだってのも…。」
中田は、まだ試合のダメージが抜けきってはいなかったが、宮沢とリュウトが手を組んだという話しを聞き、いてもたってもいられなくなり道場にやってきたのだ。
「ああ。まぁ宮沢道場の所属って訳じゃないが、とりあえずはこの道場を起点にMAMのリングに上がるらしいぞ。」
そんな中田の気持ちを知ってか知らずか、西島はあっけらかんとしている。
黙って聞いてた中田だったが、怒りが抑え切れなくなってきた。
「…西島さんはそれでいいんですか!?
なんの実績もない上に、あんな事しでかしておいて…宮沢さんは一体何を考えてるんだ!!」
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