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~会見会場~
既に到着していた宮沢が、MAMを運営する『KSE』社長・『幹原高志(ミキハラ タカシ)』と合流した所だった。
「よう、コウちゃん。万事上手く行ってるみたいだな。」
「ちょっ…バラちゃん…あっ…。そんな大きい声で…公の場では本部長と言って下さい…社長。」
幹原と宮沢は旧知の仲であり、宮沢が現役時代から二人の間の信頼関係は絶大であった。
「オホン。で、本部長。例のリュウト君はまだかい?」
「まだです。こちらから迎えを出すと言ったのですが、今日は天気が良いのでバイクで来るそうです。」
「バイク?事故にでも遇ったらどうすんの。」
「散々言ったんですが聞かなくて…案外頑固な奴でして。」
「そうか…鬼のコウちゃんをして…やっぱり大物の予感がするねぇ。」
「そうでなければ困ります。少なくとも私は、MAMの今後を彼に賭けてますから。」
「そうかい?僕はもう一度コウちゃんがリングに立って、MAMを盛り上げて欲しいんだけどなぁ…。」
「ふっ…もう辛いですよ。それに、私が現役に戻ったら、誰が現在の私の仕事をするんですか?」
「まぁ…コウちゃん以上に観客やメディアに対してアピールできる人なんてそういないからね…。」
「そういう事です。さ、そろそろ我々も仕度をしましょう。」
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