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会場には既に多くのマスコミが駆け付けていた。
『あの日』以来、一切謎の人物であった『冴木龍斗』が、ついに公の場に姿を表すのだ。
会場の最後方、杉田は定位置に身を置き、その時を待っていた。
「やっぱり宮沢は根の部分じゃあプロレスラーだったって訳だ。
さぁ、あとは噂の銀髪君…俺の期待を裏切るなよ~。」
舞台裏。会見開始5分前を過ぎても、今だ到着しないリュウトにスタッフ一同困惑していた。
「何をやってるんだアイツは!?」
宮沢は既に怒り心頭であった。
「まぁまぁコウちゃん。…主役は遅れてやってくるって言うし、最初は僕等二人だけで出ちゃおうか。」
宮沢とは打って変わって、幹原は冷静を通り越して呑気に状況を見ていた。
「くっ…仕方ない。皆集まってくれ。」
宮沢の呼びかけにスタッフ一同が集まる。
「社長のおっしゃる通り、まず私達二人で場を繋ぐ。その間にリュウトが来たらすぐ俺に知らせてくれ。場を盛り上げて、奴を迎え入れる。」
スタッフが強く頷く。
「…よし。社長、行きましょう!」
「OK~!」
宮沢に引っ張られる形で、幹原も会見場に入っていった。
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