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入口のドアから人影が見えた瞬間、一斉にカメラのフラッシュがたかれる。
宮沢…幹原………いつまで経っても、お目当ての人物は入って来ない。
マスコミの目がドアの方に向いてる間に、宮沢と幹原は席に座り、記者会見が開始された。
「え~統括本部長の宮沢です。本日はお集まり頂き誠にありがとうございます。
え~本日は、次回、『MAM・32』の開催と、初参戦となる選手の紹介を行いたいと思います。」
マスコミの動揺をよそに、宮沢が淡々と会見を進めてゆく。
「それでは、まず社長の幹原の方から挨拶させて頂きます。」
幹原はニヤリと笑いマイクを持った。
「幹原です。本日お忙しい中ありがとうございます。まず…私の方から、皆さんが一番知りたい件について、お話しさせて頂きたいと思います。」
マスコミからは、リュウトがいない事についての質問が飛ぶ。
すると、幹原の顔から笑みがきえ、おそらくは本来の、冷徹な表情が姿を表した。
度々その表情を見せられているマスコミも、幹原の本質を知っていてか、すっかり気圧されてしまった。
「前回、メインイベント終了後の事ですが、王者のガンタレイ側から、そして、当日あのリング上にいた彼からも正式な謝罪文が届き、これを受け、我々KSEといたしまして今回の件は解決と致しました。」
間髪入れずに宮沢が話し出す。
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