プロローグ・過去

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「な、なんだと!?」 驚きの声をあげたのは父と伯父だった・・・ 「仰せのとおり、南方の反乱を抑えてまいりました」 ひざまづいたまま、顔をあげ少年は報告をする。まだ幼さが残る顔である。十五歳になり、今回が初陣であった。しかもわずか半月の間である。十五歳の少年が寄せ集めの反乱軍が相手とは言え兵を率いて制圧をしてしまったのだった。 「ご、ご苦労だった。もう、休むが良い」 伯父は少年を見つめながら言った。少年は立ちあがり一礼をするとその場から立ち去った。 「末恐ろしい・・・あの年で、しかも初陣で」 伯父はつぶやいた。少年の父は笑みを浮かべ伯父に言った。 「妻である前女王が亡くなり、国力の低下が心配されたが・・・我々、そして我が息子とそなたの息子達がおればこのリア・ファル公国は100年は安泰だな」 笑いながら少年の父親も部屋を出ていった。それを睨み付け伯父はつぶやいた。 「100年の安泰・・・だと!?生粋の王族である私が何故貴様と肩を並べ戦わねばならんのだ!!」
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