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「ワンッ!!」 おいらは脅かすつもりで、男の子たちに向かって吠えてやった。 男の子たちは、一瞬たじろぐ。 「な、何だよ・・・!」 「ガルルル・・・!」 おいらは、低い声でうなった。 『人間を噛んだらいけない』 虎さんの言葉を、おいらは思い出していた。 頼むから、びびって帰ってくれよ~~~! 「お、オレ怖くないもん!」 と男の子の一人が強がってみせた。 いやいやいや・・・。 声が震えてんぜ、おい。 それにつられ、他の男の子も、次々と、 「オレも怖くない!」 と言い出した。 もう・・・。 帰ってくれよ~。 てか、翔太、お前何とかしろよ~。
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