第三話:決意

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「……カムロ、世界を正しき道へ導きますか?」 「どう……すれば。僕はどうすれば、いいの」  戸惑いが波のように押し寄せて僕を飲み込んでいく。 「助けたいのであれば、世界を救うしかありません」  僕はフィーネから目を逸らした。  一瞬悲しそうな顔をしたフィーネが見えたけど―― 「ぼ……僕はっ」  僕は分からないけど叫んでいた。  何が出来るかなんて僕自身も分からない。  でも、助けたい。  みんなを助けたいこの気持ちだけは本当だ。 「助けたいんだ。母さんを……ユズをっ」 「……カムロ」  優しい声が聞こえた。  僕に響くフィーネの声は優しさに溢れていた。  その声を聞きながら僕はいつの間にか泣いていた。  悲しいから? 怖いから?  そんな事ではなくて、分からないけど僕は泣いていた。 「助けたいんだ……みんなを」 「カムロ…行きましょう」  フィーネは僕の手をとり、ゆっくりと立ち上がっていく。  その手の温もりはユズの温もりとは違う。  でも、安心できる温もりが手を通じて僕の身体中に伝わっていた。 「助けるために行きましょう」 「どこに……?」  フィーネはゆっくりと空を見上げ、僕も同じように空を見上げた。  空は輝いている。  石板は光を放ち、大地を明るく照らすと同時に、道を示すように空の彼方へと光が続いていた。 「世界の果て……世界樹の元へ」  フィーネが僕を促す。  僕は立ち上がり、フィーネの隣に並ぶ。  優しく微笑むフィーネは僕の手をしっかりと握っていた。  『時の導命板』――残り四九枚。
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