森へ

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森 ・・・森 ・・・・・森 ・・・・・・・・森 どこまで行っても森。 森に入って、はや4・5時間・・・くらいかな。 昼飯を食べて家を出た時に空に昇っていた太陽は完全に沈んだらしく森の中には月光が満ちてきた。 俺は森の中で、いわゆる遭難をしている。 まるで昔、読んだ「なんとか山」とかいう小説に書いてあった、雪山で遭難した騎士団の気分だ。 「腹減ったな」 食料を森に入る前に大量に食料を用意していたが見事に忘れて来てしまった。 「はぁ、森なんか入るんじゃなかった」 そもそも、この“レイルンの森”に入ったのは最近、学園の噂話になった“魔人ダブル・フェイス”を探す為だ。 噂によると足が二本、上半身が二つ、頭が二つ、腕四本の人型魔物らしい。 一年位前から噂は有ったんだが、ウチの学園は規模もデカイし噂は人から人への伝言ゲームみたいに信憑性に欠ける物が多いから、信じてなかった。 だが、つい最近3年生の先輩達が手柄目当てで、戦いを挑みに行って返り討ちにあったのだ、人数は5人で全員がBランク以上の手練れだったにも関わらず手も足も出なかったどころか姿すら確認できなかったらしい。 そんなに強いなら是非とも戦いたい・・・っと言いたいが、遭難している現状を奪回した方が良さそうだ。 「う~ん、普段この森で迷わないのに今日に限って、なんで・・・! まさか!」 俺は周囲の魔力反応を調べた、何故調べ始めたかと言うと、何らかの魔術を仕掛けられて“意図的に迷わされてる”可能性を考えたからだ。 今まで調べ無かったのは魔物が魔術を使うとは思って無かったからだ。 「ん、やっぱりダメか」 この森は特殊で木々一本一本が魔力を帯びている、周囲かの魔力反応が多すぎて魔術か魔法を使われてるかを調べられ無かった。 とりあえず、また森を歩くことにした。 ▼数分後   しばらく歩いて行くと段々、木が大きくなっている気がした。 「・・・森の奥深くに向かってる気がするな、戻るか」  疲れていたせいもあるが、「逆に考えると反対は出口だろう」と安易な考えで方向転換して歩き直した。  次の瞬間! 「[コッチだ]」 「なんだ?!」  さっき向かっていた方向から音に近い声が聞こえた。 「まさか、ダブル・フェイスか!?」  また方向転換して腰の剣を抜きながら走り始めた!
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