森へ

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「なぁ、ここら辺で変な奴見なかったか?」  聞くと少女が俺を指差した。 「イヤッ、俺じゃなくて……っと言うより俺はそんなに変な奴か」 「ハイ」 「うっ……きっぱりと」  即答過ぎて心にグサリと来た。 「ココには私の“結界魔法”で他人が絶対に入れないハズなんです」 「結界? そんなの無かったぞ?」  自分で言うのも変だが、俺は学園の中でも“魔力探知能力”に関してはトップ・クラスに近いくらい高い、さっき調べた時は木々の魔力で“迷わせの魔術か魔法”が有るかは調べられ無かったが、こいつが言う様な“人が入れないほど強力な結界魔法”が有れば流石に気がつく。 大樹を大樹が帯びてる魔力で光らせる奴だ、結界魔法ぐらい使えるだろうから嘘ではないのだろう。 「えっ? もしかして」  一瞬、驚いた顔をしたが、納得した様な顔をした。 「どうした?」 「なんでも無いです。 あ、ソレって、“魔戦学園”の制服ですか?」 「ん? そうだけど?」 ここら辺で魔戦学園の制服を知らない奴は居ないのに、それを聞かれるとは思わなかった。 他の地方から来たのか? 「・・・名前」 「名前? 俺のか?」   少女は急に俺の名前を聞いてきて、俺の質問に対して首を縦に振った。 「俺はダイン、ダイン・フェルフォードだ」 「・・・・・・・ダイン……フェルフォード? ダイン……ダイン…………ダイン」  少女が俺の名前を連呼し始めた。 こんな可愛い子に何回も名前を言われるのは正直、悪い気がしない・・・平常心、平常心。
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