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「それより、お前どうして、こんな所に居るんだ?」
「居心地が良いからです」
これまた即答、この子はもしかして、かなりサバサバした性格なのかもしれない。
「・・・そうか、森の外には出ないのか?」
「う~ん、うん出ない」
ちょっと考えてから首を振ってきた。
「あっ、もしかして、どうやったら森の外に出れるか知らないのか?」
普通に考えたら誰でもそう考える、それで魔物も入れない様に結界魔法を張ったのだと。
「知ってるよ? 森の外に出る方法」
「!! 本当か!?」
意外な回答だった。
「サーヴェルト!」
正直が呪文を言うと地面に青く光る魔方陣が出てきた。
「ソレに乗れば森から出れるよ」
「そうなのか? じゃあ、悪いけど俺を森の外に出して欲しくれないか、えっと」
そういえば、この少女の名前を聞いてい無かったな。
「キュリアスです」
「キュリアス、頼めるか?」
「良いですよ」
「ありがとう、そうだキュリアス、一緒に森の外に行かないか?」
「一緒に?
・・・私は行かないよ、私、森が好きだから。
それより早く乗らないと消えちゃうよ?」
「あ、あぁ、じゃあなキュリアス」
魔方陣の上に飛び乗って不思議な少女キュリアスに別れを告げた。
「またね、ダイン君」
そして魔方陣から出た光に包まれて、気が付くと森の外に出ていた。
「本当に出れた!って、うわぁ―――……ゴボォ…………」
森の外は外でも、森の外を流れる川の真上だった。
▽森の最深部:光の大樹
「・・・ダーク? どうして結界を解いたの?」
「・・・ダメだった?
“あの人”以外の人間との接触が記憶の……」
「ありがとう、少し靄が晴れたよ」
「良かった、それでどうするの?」
「あの話?…………受けるよ。
・・・ダイン君か……」
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