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 確かにそれなら機密を保てるだろう。  一枚札をつまんでみた。 「――パラメーターはこの辺りが丁度適切なバランスで……」 「――だが、それでは低すぎではないか!」 「――しかし、均衡を崩してはならんだろう……それにここまで来たら最後までこだわるべきだ!」  確かに聞こえるようになった。 「――諸君、議論に白熱するのは大いに構わん……だが、ちっとばかり周囲が見えておらんのではないか?」  どうやら、この人物がこの会議の議長なのだろう。  厳つい日に焼けた顔にそれに見合う鋭い眼孔……机の上で組む腕は大きく太い――これで服をスーツにして葉巻を加えていればマフィアのボスといった風格なのだが――今、彼が着ているのは清潔感漂う白衣だった。  似合わねえ、と思いきや意外に違和感が無かった……顔は少々恐いが小さい子供に人気がありそうだ。 「――それにしても長かった……始まりはいつも突然だ――あの出会いからもう4年が過ぎようとしているのだな……」 『――部隊長』  今、ここは長い間同じ苦労を味わってきた者達の空間である。  正直、居辛い空気になってきた。 「――諸君! 我々は初代の146体、並びにそこから新たに派生進化する物や続々と追加される個体を含め、200近い数の個体を誕生させてきた……そして我々は今回、最後の領域へと足を踏み入れる!」  その演説で、辺りはざわめき出した。 「――しかし、恐れる事はない! 我々には数多の個体を誕生させてきた実績がある……これはどこの世界の部隊と比べても先んじている! さあ、もう一踏ん張りだ!」  雄叫びがこだました。 「――それでは諸君、我々が踏み出す領域について再確認しようでは無いか!」  パチンと指を鳴らすと会議室の照明が落ちた。
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