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 そんな会話を繰り広げつつ、ふと時間が気になり時計を探していると……。 「今は試験会場集合45分前、試験内容は不明だから何をやらされてもいい様に眠気は払っておいた方がいい」 「そうか、それで起こしてくれたのか――ありがとうな、次にそんな機会があったら洒落にならない発言はしないで欲しい」  そう感謝と偽りの無い本心を告げてみると、恐ろしい事にどの辺りが洒落にならない発言だったのか理解していないようで首を傾げてはいたが、最終的に頷いてくれた。  これで次に起こされる時は黒焦げになっていなければ良いのだが……。  ……嫌な未来想像図は頭を振って追いやると、この後どうするべきかを考える余裕が出来た。  実地試験系は風邪などをひかずに健康なまま来たことで特に不安には感じておらず、筆記試験等はとりあえずやれることはやったと開き直る事にした……いまから詰め込んでもほとんど何も入らないだろうという予想もある。 「……そうだな、しばらくぶりに会ったんだし近況報告がてらお茶でも飲むか?」  最後に会ったのは舞踏会で再会を互いに喜んだだけで、近況報告とかはろくにせずにお別れだった。  少し時間があるし、先輩に保全隊の仕事内容を聞き出すのも良いかもしれない。 「――あなたがそれを望むなら」  ……なぜか彼女は主従の関係の様に俺の意見を優先するような行動をとる事が多い。  別に貸し借りという意味ではゼロかむしろ自分の方が借りが多いのでは……そう思いつつも口には出さなかった。  無駄な押し問答が繰り広げられるだけだと感じていたから。 ―――― ――― ―― 「そういえば何で試験受けてるんだ? お前ほどの逸材、各地で引く手数多でこんな暇無いんじゃないのか?」  彼女は雷を操るエキスパートである――かなり応用の利く能力だけあって雑務とか言いながら事務仕事より現場で、しかも最前線にいて何があっても大丈夫なように備えるのが大半の仕事だという。 「――働きすぎで早く任務手当て分の休暇は消化させろって怒られたらしい……暇になったからそれを利用して試験を受けに来たの」
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