特攻機・桜花

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~昭和20年 春~ 特攻機・桜花の搭乗員が陸海軍問わず募集された。 ここで桜花について少しばかり説明しよう。当初、特攻にはオンボロの九七式戦闘機や九七式艦上戦闘機などが割り当てられていたが戦局の悪化に伴い、零戦までが特攻・・・しかし、結果は変わらなかった。米英軍の誇る圧倒的なまでの敵機数・・・いかに日本の零戦であっても少数では突入する前に撃墜される。元は戦闘機として開発されていたのだから250㎏爆弾を積むとどうしても速力が落ちてしまう・・・そこで、軍は特攻専用の飛行機 即ち特攻機の開発を命じた。そうして完成したのが桜花である。爆弾に翼と操縦席をつけただけの小さな機体、エンジンも数秒しかもたないロケットエンジンであるが当たれば一撃のもと撃沈させることができるのである。しかし、一度桜花に乗った搭乗員は生きては帰ってこれない。生還率0%の非情の飛行機だった・・・
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