その人は恐かった

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オジさんは、細めのサングラスに、パンチパーマをあてていて…マサルは《その筋の人》だと思って恐怖した。   「どうしたも、こうしたも、あるか❗人の車に傷つけやがって、このガキが‼」   「だから、傷なんて…」 と反論するキョウイチを制して、マサルはオジさんが指摘する箇所、運転席側のドアミラーを調べた…。   すると…   確かに、その箇所がへこんでいた。指でしっかり分かるくらいに…。   マサルは状況を把握するため、オジさんに尋ねる。 「どうしてこうなってしまったんでしょうか?」   「あ~⁉その野郎のコートが引っ掛かったんだろうが‼」   キョウイチは、車から降りるときに、コートをマントのように、はためかせて降りた…それが原因だった。   広がったコートの端が、思い切りオジさんの車に、ブチ当たり、さらに引っ掛けてしまったのを、小走りになっていたため、キョウイチが無理矢理引き剥がすようにしてしまったからだ。   大事件だった。   立ち尽くすマサルとキョウイチに、冷たい小雨が降り注いでいた。
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