僕たちは真剣だった

2/5
前へ
/31ページ
次へ
そこまで言うマサルを、キョウイチが放っておくわけはなかった。   歩み寄ってくると、 「何を言ってるんだ❗悪いのは俺だ。コートを引っ掛けてしまったのに気づかないなんて‼」 キョウイチは言ってきた。   「イヤ、君は行け❗僕に任せて、君は行くんだ‼」 マサルは叫ぶように言い返した。   初冬の夕暮れどきの雨に、ふたりはすっかり濡れてしまっていたが、気にするどころではなかったのだ。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加