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あまり食いついて、また怒りがぶり返してしまったら大変だ、とマサルは考えた。
「申し訳ありませんでした。今後は、十分に気を付けますので…失礼します」
と、深々と頭を下げて礼をすると、小走りで運転席に乗り込むと、かかったままのエンジンを確認して、ハンドブレーキを解除した。
方向指示器を右に入れると、慎重にアクセルを踏み、滑らかに発進した。早く脇道に入ってしまいたい…と思いながら。
駅前ターミナルを使って戻らずに、線路沿いの一方通行に入ったところで、後部座席に居たヒデオが口を開く。
「…あの車で、あの年式のヤツは生産台数が少ないから、かなりレアだぞ。ありゃあ、相当大切にしているな~」
マサルは、絶句した。
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