2223人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は一瞬ドキッとしたが、聖也に助けられた。
「おじちゃん、遊ぼうよ。」
聖也は俺の手を引っ張り、隣の和室に連れて行かれた。
畳の上はプラレールが並び、楽しそうに遊ぶ聖也を見ていると、あったかい気持ちになった。
エリカと母親が作ってくれたご馳走で乾杯し、その後また遊んで聖也は疲れて寝てしまった。
「エリカ、今夜は真由美さんにお店頼んでるのか?」
「そうよ、今夜は銀座のお店のこともあるし、オーナーと話したいから。」
「椎名さん、ゆっくりしていってね。」
お母さんは俺たちに気を遣い、席を外した。
「オーナー、この五年間色々ありがとう。」
「何だよ、あらたまって。」
「オーナーには十年近くずっと甘えてきちゃって、そろそろ卒業しなくちゃと思ってます。」
エリカは熱いお茶をすすりながら言った。
「俺が好きでしてきたことだから、お前は気にする必要ないだろ。」
「でも…オーナー未だに独身だし、アタシがそばにいたらなかなかいい人も出来ないと思う。
オーナーにはそろそろ自分のこと考えて欲しいの。」
最初のコメントを投稿しよう!