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「やだぁ、気持ち悪い。」
「気持ち悪いはないだろう。失礼な奴だなぁ。」
俺はエリカの鼻をつまむと彼女は照れ臭そうに舌を出した。
「ところで銀座の店の名前は決ったのか?」
「うん“Club 潤”でいこうと思ってる。
銀座に店を出すのは潤の夢でもあったから。」
潤君が死んでから、この五年間エリカは銀座に店を出す夢を温めてきた。
いや、エリカが銀座一のクラブ摩天楼を辞めた時にその思いが芽生え、少しずつ準備をしていたのだ。
次は自分が銀座一の店を作ると。
潤君と一緒に目指した夢をエリカが叶えようとしていた。
俺もそんな彼女達の思いを陰ながら応援してきた。
「そうか、ホステスは俺が集めたから安心しろよ。
上玉揃ってるから。
俺は女を見る目だけは正しいからな。」
俺はクラブをまわり、これぞと思う子がいたら声をかけスカウトしたり、銀座時代の知り合いに何人か女の子を紹介してもらったりもしていた。
「うん、安心して任せる。
何から何までありがとう。」
「当たり前だろ。
いちいち礼は言うな。」
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