2223人が本棚に入れています
本棚に追加
俺たちは動物園を出ると、潤君が眠っているお墓に向かった。
途中花屋に寄り、スィートピーの花束を買った。
お墓に着き、俺たちは手を合わながら、俺はお墓に向かって言った。
「潤くん、君は絵里にたくさんの幸せをあげたよね。
正直、君にはかなわない。
でも君に負けないぐらいに絵里と聖也を大切に思ってるんだ。
これからは俺が二人を守る。
そして君がしようと思った銀座のお店、俺が代わりに絵里を支えるから。
安心して俺に全て任せて欲しい。」
エリカも目にいっぱい涙を浮かべながら、お墓に手を合わせた。
「パパもママも悲しいの?」
涙を流している二人の顔を覗き込み、聖也が二心配そうに聞いた。
「違うのよ、聖也。
パパとママ嬉しくて泣いてるの。
だってこれからは三人いつも一緒にいれるんだもん。
そのことをお空のパパにお知らせしに来たの。
もう心配しないでゆっくり眠ってねって。」
五歳の聖也がどこまで理解出来てるのかわからかなかったが、つぶらな瞳で俺たちを見つめている聖也を見ながら、この親子と潤君の思いも全て俺が引き受けると誓った。
最初のコメントを投稿しよう!