2223人が本棚に入れています
本棚に追加
俺にとってその店は居心地が良く、通うことにした。
俺は客だから、客の気持ちはわかる。
それをどう店側が理解し接待するのか。
椅子やテーブル、店の雰囲気。
黒服の接客態度。
会話の内容。
それに何といってもホステスの質だ。
まだまだあるが、俺は色んな角度から勉強させてもらった。
その分、この店で俺はかなり金を遣ったが。
さすがにクラブあさみにとって俺は上客だった。
ホステス何人も指名し、豪遊してたのだから。
だがそんな生活も長くは続かなかった。
バブルが崩壊して俺は会社を失った。
クラブあさみのママはそんな俺を見捨てたりはしなかった。
「椎名ちゃんなら、大丈夫。またすぐに復活すると信じてるから。
お代はその時まとめてもらうから、飲みたくなったらいつでも来てくれたらいいのよ。」
そんなママの気持ちが嬉しかった。
俺は大きくなって、きっとまた銀座に戻ってくる。
そして、銀座を去った。
その後、俺が銀座を離れて二年後に夜蝶をオープンした。
それまでの二年間は…
最初のコメントを投稿しよう!