自転車は進む、されど止まらず

6/8
前へ
/10ページ
次へ
 ……怪我はないようだった。 「なにかできることはない? して欲しいこととか。何でもするからさ」  眉を八の字にした夏美は、見知らぬ後輩の少女にそう訊いた。 「……じゃあ。ちょっと、ついてきてください」  歩きだす少女に、夏美はついていく。  少女は、高野和(たかや かず)という名前であることを夏美に教えた。  ……どうして夏美の名前を知っていたのか。それを答えることはなかったが。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加