自転車は進む、されど止まらず

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 二分ほど歩き、 「……ここです」  そこは本屋の裏にある、寂れた公園だった。  昼間ならともかく、薄暗い夕方には誰もいない。  高野和はベンチに腰かけると、紺のブレザーのボタンを外し、おもむろに脱ぐ。 「何してんの!」  夏美は強く呼びかけるが、高野和は無視をする。
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