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「――宗司さん、雄也先輩からあの事、聞きましたか?」
宗司の楽器屋に来て太朗が尋ねた。
「太朗じゃねぇか。聞いたぜ、潤の事だろ?」
「はい。で、ちょっと言いにくいんですけど、俺……こういう席は初めてで」
「大丈夫だろ。俺も初めてだ」
笑って宗司が言うと太朗は踵を返した。
「やっぱり姉ちゃんに聞くべきだったかな……」
「おい、そこ。失礼じゃねぇか?」
宗司が言うと太朗は振り向いた。
「いえ、宗司さん相手ならこれくらい」
笑顔で太朗が言うと店に小さい子連れの家族が入ってきた。
「あ、亮先輩!?それに由美さんと、辰也くん」
家族を見て太朗は驚きと喜びの入り混じった声を上げた。1人は亮で、亮の奥さんの由美。それに2人の子供で2歳になる辰也。
「久しぶり、太朗」
亮がにこやかに言った。
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