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「――皆、久しぶり!」
大人びた雰囲気をぶち壊して潤が雄也をはぐした。
「この野郎、そういうのは太朗にやれ」
潤を剥がして雄也は太朗の方へ押しつけた。
「太朗!久しぶり!元気だった?」
今度は太朗をきつくはぐして潤が言う。何かもう、はっちゃけている。
「先輩はどうです?」
「俺は勿論、……あー……まぁ元気だよ!そうだ、俺の嫁、杏奈」
潤が横にいる新婦の女性を紹介した。長い茶髪に白くて綺麗な肌。年は潤と同じくらいだ。
「初めまして、杏奈と言います」
「よろしくお願いします」
太朗がにこやかに言った。
「杏奈、別に堅い挨拶しなくていいんだよ?俺の一番の親友達なんだから」
潤がさらりと言う。
「そうなの?じゃあ改めてよろしく。ダーリンの愛する唯一の女性の杏奈です」
おしとやかだった態度が変わって潤と同じ様な明るい口調になった。
「ダーリン……」
苦笑いして伊知郎が呟いた。
「ダーリンよ。潤だけを愛するのが生涯の一大使命なの」
「ちょっと、熱すぎるけど、素だから気にしないで」
潤が言って善を見た。
「善、久しぶり!大きくなったんだね。何か俺、年取った気がしてきた」
思い切り善を抱きしめて潤が言う。
「苦しいよ……」
笑いながら善が言う。
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