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「何だと?」
善の言葉に怒った男が胸ぐらを掴んで拳を向けた。
「あ、もう殴っちゃう?も少し話させてよ」
何の危機感も感じずに善は言ってその手を払い除けた。
「えっと……。アンプとシールドは有る。ドラム無いんだ……。マイクは有る。あと、煙いから換気扇ないかな……」
善が教室を歩き回って窓を開けた。
「………何のつもりだ、お前」
ネクタイを掴んでまた別の生徒が言った。
髪を金髪に染めた大柄な生徒で怖い顔をしている。
「……うわぁ、怖い顔。でも、何か怖いの顔だけ?本当はタバコとか嫌いだったりして!?」
相変わらずの笑顔で善が言うと、その男が拳を振るった。
「うっわ!?」
それを何とか避けて善は足をかけ、転ばせる事に成功した。
「てめぇ!」
だが、しつこいその男は善の足を片手で掴んで放さない。
「あっ!?放してよ!ちょ、俺が危ない!ほら、ここに何人暴力の好きそうな人がいると思ってるの!?」
言って善が逃亡を謀るが、善の言う通りすでに暴力の好きそうな人が取り囲んでいた。
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