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女性は微笑んだ顔のまま静かにうなずいた。
「ではあなたはどうして生きているのですか?」
旅人は彼女の矛盾点を問いただした。
が女性は答える素振りも見せなかった。
旅人はさらに何かを言おうとすると旅人の唇に細く白い人差し指が当たった。
「明日、私にカーネーションを返しに来てください。」と女性はいうとさらに言葉を繋げた。「夜に、いえ時間は何時でもいいんです、太陽の光がこの町にそそぎこまれてない時に町の路地に出て来てください。そして私の店に来てください。」
女性は花を持参する事を付け加えるとそそくさと店内へ消えていった。
旅人は追おうともせずにまた町に一つしかない宿へと帰っていった。
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