第四章 再生の町

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「ああ、僕がアリサに言われた通りに花屋に行ったよ。」 「ふーん、それで。」 「アリサが言った通り店員は死んでなかった。むしろ元気だった。もちろん影武者でも何でもなかった。」 アリサはほら、と自慢げに言った。 「それでどうして生きてるのか、なんで嘘を付いたのか、聞いたよ。」 「でなんて?」 旅人は首を振ると何も答えてくれなかったと言った。 「…それで店員は夜に路地に出て店に来てと言って店内に消えたよ。」 「追わなかったの?」 「いいや、夜に会えるから追わなかったよ。」 アリサはまた怒鳴ろうかと一瞬悩んだ。
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