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「ジャックだ…ジャックが出てきたぞ…」
「また何かあるんじゃないか?」
「家に入ろう…何をしてくるかわからないぞ…」
俺は元々ここ…ラディアンの町に住んでたわけじゃない
俺は…5歳ぐらいの時に町の外の森で拾われた
その時の事を俺自体はハッキリ覚えてない
ただ覚えているのは暗闇の中で底知れぬ不安に襲われていたこと…それとジャックという自分の名前だけだった
暗闇にうずくまっている俺を拾ってくれたのは町の猟師のアーサーという奴だ
アーサーは歳は30過ぎで無精髭を生やした短髪の男で背中に背負った大剣が印象的だった
俺は拾われてからアーサーに猟の仕方や剣術。生活の知恵などを教えてもらい俺は幸せだった
町の人もとても親切で俺は自分の記憶が無いことなど微塵に思わないくらい幸せな日々を送っていた
だが今は違う
俺は…自分が普通の人間ではないというのに気づくのが遅すぎたようだ…
俺には名字が無かった
アーサーは自分の名字であるキーディスを名乗れと言っていたが俺は断った
特に理由は無かった
何故か名乗りたくなかった
自分が何者か解らない以上ジャックとしか名乗れない気がしたのだと思う
だが俺は5年前の事件からきっかけに名字を名乗る事にした
ディザスター…ジャック・ディザスターと
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