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5年前…………
「ジャック!ジャック!」
下から呼ぶ声に俺は返事をした
「何~?」
「すまないがレザーグローブをこっちによこしてくれ!」
俺は猟師が狩りの時に使う手袋を自分の引き出しから引っ張りだし階段に向かい下から顔を覗かしているアーサーの顔面に投げつけた
「投げつけるな!バカタレ!」
アーサーの怒鳴り声に俺は
「ど~せ俺はまた留守番だろ?」
俺はアーサーに拾われてから、かれこれ4年はアーサーと共に狩りに出かけてはいない
もちろん一人でも
俺は何度もアーサーに食いついたがあっさりかわされてきた
なので俺はアーサーが狩りの時は留守番、その間剣術の練習だった
5年これが続くとなるとかなりしんどい
「お前ごときに狩りはできないと100回以上言ってきたはずだが?」
アーサーは見下した口調で喋る
「よく言うよ。1ヶ月前に俺に模擬戦で負けたくせに。それでもまだ俺には狩りが無理だって言うのかよ?アーサーより森の連中の方が弱いじゃん」
「…何度も言うがあれは本当に手が滑ったんだ!それに連中を見下してる時点でお前を森には連れてけん!」
「出たよ…あんな熊野郎とかに俺が負けるわけないだろ?!見ろよ!何時間も掛けて手入れしたんだ!今日こそ一緒に行くからな!」
俺が腰に付けているハンターソードを誇らしげに見せつけるとアーサーは、やれやれ…っといった感じに顔を横に振りレザーグローブを俺に投げつけた
「俺は弓を使う。グローブはお前が使え」
俺は一気にテンションが上がり自分の部屋に戻ってはしゃぎながら準備した
すると…
ピリッ…
右手全体に一瞬痛みが走った
「何だ…?静電気?」
しかし俺はきにせず短刀と袋を持って先に家を出たアーサーを急いで追った
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