新入生

4/23
前へ
/250ページ
次へ
 そしてスーラがジークを引っ張りながら走っていると、ジークはスーラの後ろ姿を見ながらさっきのことを不思議に思っていた。 「なぁ、結局デビをあのままを置いていってよかったのかよ?」  するとスーラはゆっくりと走るスピードを落としていく。 「い~のよ。あんな奴ほっといて」  スーラがジークに顔を赤くしていることを隠しながらそう言うと、ジークは指で頬を掻く。 「まぁいいか。久しぶりにスーラと二人だけで学校に行くのも……」  そういいジークも少し顔を赤くすると突然ジーク達の背後から笑い声が聞こえてきた。 「いつ見ても二人は仲がいいことだね~。特にスーラなんか大胆にジークの腕を掴んじゃって」  その言葉に二人はさらに顔を赤くして、スーラはジークの腕を離し、二人は距離をとってから後ろを振り返る。 「何いきなり変なことを言うのよマキ!!」 「別に変なことを言ってないわよスーラ。私は事実を言ったまでよ」  この女性はマキ、スーラの友達でお金持ちのお嬢様。  そして最近はまっていることと言えば、ジークとスーラの仲をいじること。  何と趣味の悪いことだろう。
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

993人が本棚に入れています
本棚に追加