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「だから、お姉ちゃんの居場所分かったんだよ」
そう言い終えた後、私は桜の手を掴んだ。
逃げられないように。痣が出るくらい。強く。
桜は無表情のまま、言った。
「違う…。私は、手紙にそんなこと書いてない。」
桜が手紙に書いたのは、
『最後まで自分勝手でごめんなさい。私は死にたくない…。美羽には悪いけど、私みたいな人間が、最終的には生き残るのよ。』
このような内容だった。
このことを聞いた美羽。
「─────…早く来て。」
今の私にとって、そんなことはどうでもよかった。
自分の生死が関係してるんだ。
桜の生きるための口実なんて、耳に入らなかった。
でも、桜の言っていたことは、嘘ではなかった。
手紙の内容が変わっていたのは……
美沙の仕業だった。
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