とある一つの物語

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あの数学の授業の後、クラスのほとんどの人から嫌な目で見られていたのは言うまでもない。 それから、あの授業の半ばぐらいから、あの鎧天使も少女らしい人も見なくなった。 なんとか迎えた放課後に、グラウンドをもう一度だけ眺めて校門を抜けた。 そして帰り道。 あの少女の人影とソックリな少女を見つけた。 走り寄って、肩を叩いて、話し掛ける。 「ねぇ、今日‥学校にきたよね?」 金髪とは珍しいな。染めているのかと思ったけど、染めた髪には見えないような。 その少女は振り向くと、 「アンタ‥‥私が見えるの?人間‥‥よね?」 驚いたような目でみられ、そう言うと頬を触られた。 キレイな指が頬を撫で、ドキリとする。 「触れる‥‥」 少女が理解不能なことを言っている。何言ってるの?と訊いてみたところ、 「アナタ‥‥変」 ショックだよ。 初めて会ったばかりの女の子に変なんて言われるなんて。 「僕のどこが変だって言うのさ」 「人間なのに私が見える、触れることが」 「へ?」 「それよりさ、アナタ変な目で見られてるわよ」 少女から目を逸らし周りを見渡すと、下校中の人たちが、こちらを見て笑いながら歩いていっていた。 「周りからは君のことは見えてないの?」 「変な奴には教えない」 「変な奴って‥‥」
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