出会いと別れ

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ある日の夕方、 私はいつものように公園へ一服しに行った。 いつも座るベンチ、 いつも吸うタバコ、 いつもそこにある、 大きな木。 その大きな木の下に、 そいつはいた。   いつもはいないそいつは、まだ来たばかりの新顔。 とても暖かな顔をしたやつだった。     次の日も私は、 いつもどうりにいつもの公園へ行く。 新顔のそいつは、 また大きな木の下にいた。 でもなんだか、 少し元気がなく、 寒そうな顔をしていた。     そしてまた次の日も私は、 いつもの公園に行く。   しかし、 新顔のそいつは、 いなかった。     次の日も、 また次の日も公園に行くのだけれど、 やっぱり新顔のそいつは、 いなかった。   新顔のそいつは、 いったいどこに行ってしまったのだろうか。 この寒空の下、 いったい、 どこにいるのだろうか。     ある日の夕方に出会った、 新顔のそいつ。     そいつの名は ウン子。               完
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