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何もかも、高校生になっても彼らは変わらない。
小学校も中学校も、ああしてトシは唯に追いかけられていた気がする。
でも、悪い気はしない。
世の中に変わらない事って、あまりにも少ないから。
「シュウー!」
助けを求めるように、トシが俺の元へと走り込んでくる。
その直後、彼は捕まった。
「唯、違うんだ。これは!シュウの入れ知恵で!」
コイツ、いとも簡単に裏切りやがった。
でも、これもいつもの事、こんなやり取り俺らはもう軽く100回は繰り返してる。
「シュウがそんな入れ知恵するわけないでしょ!」
ほらきた。
いつも通りの猿だって予想できちゃう展開。
でも、唯は知っているのだ。
いつもこうして、けしかけさせてるのが俺だってことを。
そして、俺も唯が気づいてる事を知っている。
いわゆる暗黙の了解ってやつだ。
疑問に思っても、それをぶつけちゃいけない。
俺は弄る役で、トシは弄られる役、そういう役割を知らず知らずのうちに、人間は演じながら生きている。
その役割は、一度決まれば覆ることは滅多に無い。
ヒーローがいきなり脇役に成り下がることが無いように。
だから、唯が俺を追っかけたりすることも、疑うこともない。
その役はトシのものだから。
「まあトシ、犯罪だけはするなよ」
肩をすくめ、いかにも自分は無関係な風を装う。
この行動に何の意味もない。
でもこれが俺の役なのだ。
「お前がけしかけたんだろ!」
いつも通りの必死なツッコミ。
そんな時、俺は実感する。
俺らはたしかに繋がってる、って。
手に取るよりも明確に、俺らはお互いを理解してる、って
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