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『月曜日』
月曜日は気怠くて、待ち遠しくて、昨日が昨日のまま終わらなかったらって、そう思ってしまう。
きみと会える月曜日は、あたしにとって高貴な意味を持つ気さえして、小さな眩暈を感じて少しうつむいた。
昨晩のファッションショーでグランプリを射止めたこの服でさえ、審査員はこのあたしひとりきりという、抗いがたい不安要素を前にしてくすんでしまいそうだ。
やっぱり、あっちのベーシックなピンクのカーデにしとけばよかった…
窓に映ったあたしの姿を、横目でちらちら確認しながらひとりごちた。
きみの登場シーンを、何度も何度もイメージして、返す言葉を探してみる。
どれもこれも浮ついていて、今のあたしときみにはふさわしくないな、なんて思って頬がゆるむ。
目の前にきみが現れたら、
そんなの全部ふっとんじゃうのに。
垣根の向こう側。きみとあたしがつながる世界は、いつだって眩しすぎて、負けないようにあたしも輝いていたい。
ねぇ、だからたった一言、
『かわいい』って言って。
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