はまらないピース

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『はまらないピース』 目覚めたら、広いベッドに後輩の男の子が眠っていた。 二日酔いで、頭が痛い。 ガンガンガンガンうるさい頭を抑えて、あきらかな情事があったことを示すあたしたちの様子を見て、涙がこぼれそうになった。 携帯に目をやったら、きみからの着信が何度もあって、ふるえる指でたばこに火をつけた。 昨日、後輩と居酒屋から出る時に、背後にうらめしそうな視線を感じたことを思い出す。 あの子のところに向かうからと、あたしを切り捨てたのはきみなのに。 きみに見せつけたいと思ったのも事実。 きみが傷つけばいいと思ったのも事実。 きみがやきもちをやけばいいと思ったのも事実。 それなのに、 昨日の行為を思い出して、みじめになるのがあたしなんて、そんなの聞いてない。 取り返しのつかない行為と、切れてしまったきみへの背徳。 きみじゃなきゃだめなのは、あたし自身だという事実。 .
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