おまけ

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  「駄目だよ蓮華。甘やかしたら」 「いだだだだ!!」 「リュウ!」 リュウがゲンの頬を引っ張る。 蓮華は慌ててその手を離させた。 「ふえーん、痛いよー母さぁーん」 「よしよし」 蓮華は赤くなったゲンの頬を撫でる。 蓮華にしがみついたゲンは、リュウに向かってにやりと笑った。 それにリュウは眉間にしわを寄せ、ゲンの頭を叩いた。 「うえぇーん!」 「リュウ!!」 「…蓮華は俺とゲンのどっちが大事なんだよ」 「どっちもに決まってるでしょ!」 「どっちもはやだ」 リュウは真っ直ぐに蓮華を見る。 すると蓮華は、頬を染めながら視線を逸らした。 「…だって…ゲンの半分はリュウじゃない…」 「蓮華…!!」 ぱあっとリュウが笑顔になる。 そしてゲンに向かってにやりと笑った。 トラがこそっと花月に小声で話す。 「今日は若旦那の勝ちみたいやな。珍しい」 「もともと蓮華が愛しているのは若殿じゃないですか」 「まあせやけど。…これで何戦目やったっけ」 「267戦で、若殿は152勝目であります」 「息子に負けとるなぁ…」 「ところでトラ。寧流(ネイル)は?」 「昼寝ちゅー」 二人の薬指にも、銀色に光る指輪がはめられていた。 「あー!!俺の分のタコ焼きがない!!」 「残念だったね」 「とーうーさーんー!!」 今日も轟家は、平和です。 end
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