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ふと窓の外を見てみれば白い―…。
「あっ、梓ぁ!雪だ」
金に近い茶髪の男の子が、はしゃいでそう言った。
色素の薄い黒目と、ふわふわの髪。
とても、可愛らしい男の子。
「雪?ホワイトクリスマスね。みつ、寒くないの?」
椅子に座り、ゆったりとコーヒーを飲んでいた、梓と呼ばれた人が、少し嬉しそうに言った。
いつもは、高くきつく結い上げられている黒髪を今は、背に流している。
漆黒の長い髪と、少しきつい黒目。
まさに、日本美人といった言葉がピッタリという女の子。
みつと呼ばれた方は、まだ中学生かくらいに見えるが、二人とも既に高校三年生。
今日は、高校生最後のクリスマス。
雪を見ながらはしゃいでいる様子のみつ、本名光宣とカップを持つ梓の左手の薬指には、同じ指輪がしてある。
二人は、高校生ながら今年の十月に結婚した。
光宣が、18歳になったと同時に。
「寒くないよぉ。ほら、梓もおいで」
部屋の中は、暖房が効いていて全く寒くはない。
だが、やはり窓際だと寒そうな感じがする。
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