伝えたい

3/7
前へ
/16ページ
次へ
光宣の言葉に誘われ、一口だけコーヒーを飲み、立ち上がった。 光宣の後ろから、窓の外を見ると既に真っ白。 「随分、前から降ってたんだ」 積もっている雪の上に、更に降りてくる雪を見ながら梓は言った。 やはり、窓際は少し寒い。 「ねぇ、梓。外行かない?」 視線は、窓の外に固定したまま光宣が言った。 外。 雪も降っていることだ。 きっと、寒い。 「寒いのに?」 「うん!ほら、行こう」 まるで、子供の様にはしゃいでクローゼットから二人の厚手のコートと手袋、マフラーを取り出した。 それを梓に渡して、自らもはおった。 「……よし、行こう!」 コートを着終わった梓の手を引いて、二人は外へと急いだ。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2097人が本棚に入れています
本棚に追加