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光宣の言葉に誘われ、一口だけコーヒーを飲み、立ち上がった。
光宣の後ろから、窓の外を見ると既に真っ白。
「随分、前から降ってたんだ」
積もっている雪の上に、更に降りてくる雪を見ながら梓は言った。
やはり、窓際は少し寒い。
「ねぇ、梓。外行かない?」
視線は、窓の外に固定したまま光宣が言った。
外。
雪も降っていることだ。
きっと、寒い。
「寒いのに?」
「うん!ほら、行こう」
まるで、子供の様にはしゃいでクローゼットから二人の厚手のコートと手袋、マフラーを取り出した。
それを梓に渡して、自らもはおった。
「……よし、行こう!」
コートを着終わった梓の手を引いて、二人は外へと急いだ。
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