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吐かれた息は、相変わらず白いし、雪は降り続けている。
だが、二人は何となく暖かかった。
「……そういえば、さぁ」
「ん?」
光宣が、少し戸惑った様子で言った。
そんな風に言う光宣は、珍しい。
「僕、プロポーズしてないよね」
「…え?あぁ、まぁ確かに」
二人の結婚は、元々家同士の政略結婚。
幼い頃から、それは決まっていて、ずっと二人で過ごしてきた。
梓は、真剣な表情をしている光宣を見て少し、驚く。
「えっ、別に。プロポーズとか、いいのに」
「僕が駄目なの!……言わせて?」
首を傾げて言われると、梓も、もちろん断るなんてできないだろう。
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