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「迷惑?」
陵海の言葉を繰り返したが、聞いたのは宝珠に向かってだった。
「あっ、ええっと……」
さすがに、先輩に迷惑とははっきり言えない様で、躊躇っている。
でも、やっぱりクリスマスイブに来られたら迷惑だろう。
「迷惑だった?」
少し、うるんだ百合の瞳に見つめられ、更に何とも言えない。
その瞬間、ドンッと扉が叩かれた。
防音の為、声は聞こえない。
宝珠にくっついていた、陵海だけが離れて、扉へと向かった。
扉を開けると、少し焦った様子の燎斗。
「陵海、百っ」
燎斗が話そうとした口を、掌で塞ぎ、陵海は百合と宝珠の方を向いた。
「俺、ちょっと出るから」
そう言い、未だ百合達には見えていなかった燎斗を外に押し出しながら、陵海も部屋の外に出た。
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