言葉

6/9

2097人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
「……なるほど、な」 燎斗の話しを聞き終え、最初にもらした陵海の感想だ。 「怒った理由、分かるか?」 少し不安そうにくる燎斗の頭を軽くこづいた。 「……いいか、燎斗。百合なら、出してやるから。出てきたら……」 ガチャッと、扉が開く音と一緒に陵海が戻って来た。 「おかえりぃ」 未だ、ソファに深く腰掛けている百合と宝珠に迎えられる。 「ただいま。……百合、来い」 「は?」 陵海は、顎で部屋の外を示した。 百合は、嫌と言う様な態度と表情。 「ほら、いいから」 陵海に急かされて、やっとのことで腰をあげた。 面倒くさそうに、扉の陵海へと向かう。 「よし」 軽く、小さな声で陵海は呟いた。 その瞬間、扉の前にいた百合を外に押し出し、バッと扉を閉める。 一瞬の間に、それをした。 「陵海?」 宝珠の心配そうな声を聞きながら、陵海が宝珠のそばに寄った。 「ほおっといて大丈夫」 そう言う陵海は、何処か面白がって笑っている様だった。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2097人が本棚に入れています
本棚に追加