2097人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
「……なるほど、な」
燎斗の話しを聞き終え、最初にもらした陵海の感想だ。
「怒った理由、分かるか?」
少し不安そうにくる燎斗の頭を軽くこづいた。
「……いいか、燎斗。百合なら、出してやるから。出てきたら……」
ガチャッと、扉が開く音と一緒に陵海が戻って来た。
「おかえりぃ」
未だ、ソファに深く腰掛けている百合と宝珠に迎えられる。
「ただいま。……百合、来い」
「は?」
陵海は、顎で部屋の外を示した。
百合は、嫌と言う様な態度と表情。
「ほら、いいから」
陵海に急かされて、やっとのことで腰をあげた。
面倒くさそうに、扉の陵海へと向かう。
「よし」
軽く、小さな声で陵海は呟いた。
その瞬間、扉の前にいた百合を外に押し出し、バッと扉を閉める。
一瞬の間に、それをした。
「陵海?」
宝珠の心配そうな声を聞きながら、陵海が宝珠のそばに寄った。
「ほおっといて大丈夫」
そう言う陵海は、何処か面白がって笑っている様だった。
最初のコメントを投稿しよう!