言葉

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「百合、さっき何で怒ってたんだ?」 自分達の部屋のベッドで、寛ぎながら燎斗が言った。 腕枕してもらって、隣で寝ている百合に聞く。 「分からないで、言ってきたの?」 少し、目をすわらせて百合が答えた。 燎斗は、深く一度だけ頷いた。 「……もう、いいわよ」 苦笑いをしながら、百合が言う。 冷静になってみれば、馬鹿らしいことで怒ってしまった。 燎斗が、私を好きでいてくれてるなんて、前から変わらないことなのに。 でも、たまに不安になるのは、陵海と宝珠ちゃんみたいに、好きあって付き合い始めたのではなく、家同士で決められた許嫁だから。 もちろん、相手が燎斗なんだから、私は文句ないんだけど。 あまり喋らない燎斗だから、不安になるんだ。 でも、私が怒ったら、隣の部屋だけど、探してくれた。 機嫌とろうって、陵海にまで聞いてくれた。 ……それだけで、十分。
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