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そう
彼女との出会いは
高校2年の、冬休みも近いある日の昼
売店に駆け込んだ僕は、欲しい商品(あんパン)を探した。
《あった!》
最後の一袋を見つけて、手を伸ばす……………と
反対側からも細い手が伸びてきた。
「「あっ!?」」
互いに相手の手に気づき、同時に手が止まる。
振り返って、相手に顔を向けると、向こうもこちらを見ていた
「……ぁ、えっと………どうぞ」
僕がそう言うと
「あっ、いえ!
あなたこそ、どうぞ」
お互いに黙ってしまい、沈黙が流れ………………
僕と彼女の間からあんパンに一つの手が無情にも(?)伸び、あんパンを購入して持ち去って行った。
「「………っぷ…」」
どちらともなく、2人して吹き出してしまう。
「「あはははは……」」
そんな僕らを見ていた購買のオバチャンが
「あんた達。何だか面白いね!
付き合ってみたらどうだい?」
勿論、冗談のつもりだったのだろう。
だが、まさか本当に付き合う事になるとは、僕らさえも予想出来たものでは無かった。
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