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赤
「え~何々…『ボクがほしいのは、ブルーステイショーン三しきです。おか島とう太』ですって。」
そう赤は、今年の子供達からサンタ達へ送られてきた手紙を読み上げると、その漢字もまだ“ちぐはぐ”な文章に少しの苛立ちを感じていた。
ちなみに、説明しておくが俺達サンタは決して一人ではない。
各地域に最低でも五人以上は居る。てかそうでもないと世界中の子供達なんかにたった一夜でプレゼントを配りきるなんて出来る訳なかろう?
…まあ、昔は今より小数の人間で配っていたらしげど知ったこっちゃない!
今1番大事なのは、どのようにして“煙突”の無いこのTARGETの家に侵入するかと、さっきの手紙を殺気めいて破り捨てているこの鬼神様をどう落ち着かせるか、この二つである!
…あれ?1番なのに二つあるよ?
まあ、いい…。
三太
「なあ、赤…」
赤
「ぬぅあああにが『B.S.3がほしい』だ、ぐらあああーっ!!私だってまだ手に入れてないわあああーっ!!」
Ohw…鬼神様のお怒りじゃ~。ボクチンには何ともできそうに無いです…。
「な~にやってんのよ?そんなに騒いだら、依頼人が起きちゃうわよ?」
赤
「ああぁん?この嫌味ったらしぃ喋り方は…」
三太
「黒守(クロス)さん!」
赤が暴れん坊大震災ばりに暴走しようとした時、俺達の後ろから女性の声が聞こえてきた。
そこには、赤い女性用サンタ服に身を包んだ一人の女性が俺達の目の前に立っていたのだ。
彼女の名前は、黒守イヴ。
アメリカ人の母親と日本人の父親の間に生まれたハーフである。
そして、俺達の上司でもある。
黒守
「ハーイ三太!今年もレッドガールがパートナーだなんてあんたも大変ね~。」
そう言うと、黒守さんは色っぽく笑顔を見せた。
俺のときめきメモリアルゲージは、すでに伝説の木の前までチェックメイト神の一手であったのは説明するまでも無いだろう!
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