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彼女たちの言っている女王とは、総理大臣以上の権力を持つとまで言われている神城財閥の当主―経営者のことで、当然持っている技術も国内最大である。そのメインコンピューターに入り込み、そのデータを盗み出すというのは…
「確かに有り得ない…よね。てか、そんなことできる奴がこの国に居るってだけでおどろきだわ」
会社自体にその力が無いとすれば、裏に誰かがいるということになるのだが、それはつまりその裏にいる何者かは、国内屈指の技術者たちにもひけをとらないほどの力を持っていることになる。
「私、そんなやつらに関わりたくないんですけど」
華南は素直な感想を口にした。それを夏芽が冷たく突き放す。
「仕事だ」
そのたった一言で。
「もうやーだー!!」
少女の悲痛な叫びはだれの心にも響くことなく、永遠に続いていくように見える長い廊下の奥へと消えていくだけだった
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