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「どうでしたか、紫音(シオン)?」
二人のいた会社からおよそ2kmほど離れたビルの最上階で、男の声が静かに響いていた
「外見は問題無し。性格は…俺的にはアウト」
「そんなことを訊いているんじゃありませんよ」
入口付近の影から遠回しの叱責があがり、紫音と呼ばれた男は改めて報告する
「能力は、まだ本気を見てないからなんとも言えないけど…」
「…けど?」
最後の言葉が引っかかり男はただ先を促す。そして紫音は数秒後、楽しげな声で呟いた。
「久しぶりにおもいっきり楽しめそうだな」
顔には獣の笑みを浮かべながら。
「やれやれ…」
途端に男は表情を無くし、低い声で呟いた
「まあこれで…炙り出せればいいんですが」
「出せれば、じゃなくて、出すんだよ」
自信を込めた言葉。そして自分にさえ聞こえないほど小さな声で、呟く
「それにしても、あの声…どっかで聞いた気がすんだよな…気のせいか?」
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