第二章 早朝

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「いっぺん殺すぞ?このくそがき」 「いい加減それにも飽きたな。もっとレパートリーねぇのかよ」 「…俺にまた同じこと言わせるつもりなのか?」 三人の周りの空気が急速に冷たくなった。このまま先ほどの悲劇が繰り返されようとしたその時 「皆さん、おはようございますっ」 場の空気を無視した穏やかな声が、はりつめた雰囲気を正常に戻した 「ああ…おはよう、琴音」 「おはよー。何してたの? 今まで」 「何って…ただ寝てただけですけど。フツーです」 少女―白石 琴音(シライシ コトネ)のその言葉に、三人は絶句した。今はまだぎりぎり早朝と呼べなくもない時間帯なので、眠っていたというのは確かに普通のことなのだが、この数時間の間は、約二名の者が発する騒音と殺気によって、その普通の行動をとるのがとても困難なことであったのだ。『実は彼女が最強なのかもしれない』 同時にそう思う三人である。
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