序章

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「…誰かいるの?」 自室に人の気配を感じて、少女は闇の奥へと問いかけた 「早く出てきなさい。一体何の用があって…」 少女は途中で言葉を切った。部屋の奥で何かが動いたからだ。そして、その者が発する空気で少女は大方を察した。 「私を殺しに来たの?」 少女は静かにそう言った。その口調は質問ではない。確認。自分の命の問題だというのに、平然と語るその声は震えることもない。影は答えない。その代わりというように、その者の手元で銀が閃いた
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